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東周列国 春秋編 第十八集

 因果は巡る

 すんでのところで後宮に逃げ込み、屠岸賈の粛正から逃れた趙朔の妻・荘姫であった。彼女は王の妹でありさすがの屠岸賈も手出しが出来なかったが、一人でも世継ぎ残っていれば後の災いになると考え、産まれてくる子供が男の子であったら殺すことを決める。
 やがて彼女は子供を産むが、生まれたのは女の子で、しかも既に生き埋めにされた、という噂が流れる。趙盾の門客であった公孫杵臼は不審に感じ、医者に化けて荘姫に近づき、生まれたのは実は男の子でまだ生きていることを知る。そして、なんとかその子を宮中から連れ出し、同じ門客だった程嬰と共に匿うのだが、そのことに気付いた屠岸賈は遺児を差し出すように布告を出し、十日経っても差し出されない場合は国中の男の赤ん坊を殺すと脅す。
 追い詰められた公孫杵臼と程嬰は、生まれたばかりの程嬰の息子を身代わりする計画を立て、それに従って程嬰が屠岸賈に密告する。だが、疑り深い屠岸賈は容易には信じず、兵と程嬰を伴って杵臼を追い詰めると、その場に程嬰の妻と彼女のかかえていた子供(こちらが本物の遺児)を連れてきて、彼女に自分の子供を選ばせる。程嬰夫妻は目の前で我が子を殺されるのを見ているしかなかった。このとき赤ん坊を庇おうとして杵臼も屠岸賈に殺されてしまう。
 そして、何を思ったか屠岸賈は生き残った子供を自分の養子にしたいと言い出す。慌てる程嬰夫妻だったが、止める理由もなく、結局遺児は屠岸賈の養子となり程嬰夫妻と共に彼の屋敷で成長することとなる。そして、程嬰夫妻は主君を裏切って遺児を売ったということで、世間から非難をあび、顔を頭巾で覆って人前には出られなくなってしまった。

 意外なことに屠岸賈は趙氏の遺児(趙武)に本物の愛情を注ぎ、彼はすくすくと成長していった。そして十七年後、再び代替わりした新しい王・悼公は屠岸賈の勢力が増していることを脅威と感じていた。そこで、趙氏の冤罪をそそぐという口実で屠岸賈を国政から除こうと画策する。それには趙氏の血統が途絶えていることが障害であったのだが、実は趙武が屠岸賈の養子として育てられていることを知らされ、趙武を宮廷に呼び出して彼に真実を知らせる。
 
 こうして、屠岸賈の命運もついに尽きる時が来た。悼公の前で趙氏の冤罪は晴らされ、屠岸賈の一族は粛正。屠岸賈自身も自害した。長年世間を偽って趙武を育ててきた程嬰夫妻はようやく頭巾を取って素顔を趙武の前に見せることが出来た。

 前半、屠岸賈のあまりの外道っぷりに気分が悪くなってきたのだが、本当に意外なことに趙武に対する愛情が掛け値なしの本物だったおかげで、ラストで因果が巡ってきても、あんまりめでたしめでたしという気分にはならないというのが不思議だ。
 趙武を養子にした場面、てっきり気がついていて、殺してしまうつもりだとばっかり思ったのだけど、本当に可愛いから養子にしたかった、ってことだったのか。人間の感情というのも一筋縄では行かない。
 それにしても、我が子を犠牲にし、世間を敵に回してまで主君の子を守ったというのは相当の覚悟である。なんか行動が凄すぎて、素直に称賛できない自分もいるのだが……。

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Comment

No title

>趙武を養子にした場面、てっきり気がついていて、殺してしまうつもりだとばっかり
程嬰の妻があんまりにも取り乱していたので、
なんか怪しいってのは思ったんでしょうね。
たぶんそれで手元に置いて監視するという意味も兼ねて
養子にしたってことなんじゃないかと。で、いざ実際に育ててみたら
本物の愛情が生まれてしまったということだったのかなと、私は思いました。
あの場面で最初に一瞬やろうとしたように、
二人とも殺してしまえば後の禍根は完全に断てたんですが、
それをやらなかったのも屠岸賈の甘さでしょうか。
(「どうせいつでも殺せるだろう」という油断が転じて、
自分の愛情が生まれてしまったことで、墓穴を掘ることになってしまったという)

>なんか行動が凄すぎて、素直に称賛できない
このドラマって基本的に故事や字面だと「できすぎた話」に見えるようなものを
うまいこと肉付け・味付けして「生きた物語」にしているんですが、
今回は、屠岸賈のほうが掘り下げられたぶん
その割を食ってしまったかも知れませんね(^^;
たぶん、公孫杵臼や程嬰って趙盾(趙氏)の家臣ではなく、門客(食客)だったわけで、
「(無条件で)主君(忠義)のために命を投げ出す」とかいうことではないと思うんですよ。
どちらかというと恩に報いるとか、友誼に報いるとか、そういう色のほうが強いんじゃないかと。
まあそれでも結局、覚悟がすごすぎるという点はあんまり変わらないかも知れませんが…(^^;

このエピソードがこうして描かれたことって、後で思い返すと実はもうちょっと意味があって、
で、そこから辿ると「なるほどなー」と思えるというか、
また意味の重さが変わってくるってのはあるんですけどね(^^;

2008.07.26 (Sat) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

No title

>手元に置いて監視するという意味も兼ねて 養子にした
なるほど、それだと割と納得できます。それにしても、前回から続けて見てきて、屠岸賈の最期にちょっとしんみりした気持ちになるなんて、思いもしませんでした。……あれですね、不良が捨て猫にエサをあげてるのを目撃したような感じ?(違)

>恩に報いるとか、友誼に報いるとか、そういう色のほうが強い
そうですね。私は主従関係だと思っちゃたので、引きぎみになったのかもしれません。

2008.07.27 (Sun) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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