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東周列国 春秋編 第八集

 盛者必衰とは言うものの……

 春秋最初の覇者となった斉の恒公は、在位中九度の会盟を行い、盟主として地位を揺るぎないものとしていた。もはや天子でさえ彼の意を無視して政を行うことは出来なくなっていたのだ。だが満ちきった月がやがて欠けていくように、隆盛にも陰りが見え始める時が来た。どんな人間にも老いには勝てない。そして恒公と管仲にとっては後継者選びが悩みの種であった。
 やがて管仲が病に斃れ、宰相の跡を継いだ湿朋も後を追うように没した。自らは宰相に向かないことを知っていた鮑叔牙であったが、恒公の頼みを受け、仕方なく宰相を引き受ける。そして、その条件として易牙、竪刀、開方の三人の奸臣を宮廷から追放することを約束させるのであった。

 この三人は恒公に取り入ろうとする小人として、恒公は生前の管仲にも近寄らせないよう釘を刺されていたのだが、股肱の臣が欠けていく中、寂しさに耐えられなくなったのか、結局呼び戻してしまう。そんな恒公を諌めた鮑叔牙に対して「斉はわしの国で、鮑叔牙のものじゃない」と答え、ついに鮑叔牙にも去られてしまう。
 そしてついに病で寝たきりになった恒公だったが、己の保身のみしか頭に無い佞臣達によって寝所に軟禁されてしまう。かつての覇者は誰も看取るものもなく息を引き取り、死後六十七日もの間、誰からも顧みられることはなかった。

 なんとももの哀しい結末である。これまでも四集とか五集みたいなバッドエンドはあったのだけど、この主従にはすっかり感情移入してしまっているので、印象はずいぶん違う。
 前半で、心から楽しそうに鮑叔牙と語り合い。(恒公はこのとき、いまさら国王なんて呼ぶなよ、なんて言ってるんだよね。決別した時のやりとりとの違いはどうよ)。病床にある管仲と、ふとしたことから昔話をしたりという描写があるおかげで、余計にしんみりしてしまう。

 思えば恒公は”情”の人であった。激情に駆られたり、逆に情に流されそうになった時、冷静にそれを諌めてきたのが管仲であったのだ。また恒公もそんな管仲を心から信頼していたことが、この二人を覇者にしたのであろう。そして管仲だけでも天下は取れなかっただろうと思う。まるで車の両輪のように。

 晩年の恒公が、あれほど遠ざけるように言われていた、易牙、竪刀、開方の三人を呼び戻してしまったのは、情の深さが災いしたのだろう。そしてやはり寂しかったというのが大きいんだろうな。

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Comment

鮑叔牙にもうちょっと鷹揚さがあれば、
つい弾みで恒公が一言を言ってしまっても、後で戻ってきてやるということもできたんでしょうけどね。
しかしそもそもそんな鷹揚さがあれば、そんな一言が弾みで出るような状況には
なってはいなかったというところでしょうか。
そういう点からも、やっぱり恒公のみならず、
一本気で不器用な鮑叔牙にとっても、管仲の存在は大きかったんだなーと感じます。
管仲が間に入ることで、実にうまくバランスが取れていたというか。

最後の場面、虫食い状態の遺体を長いカットでまじまじと見せ付けられるのはたまらないですよねT_T
(こういう冷徹さ、非情さがあるからこそ、テーマが引き立って見えるというのはあるんですが^^;)

2008.07.17 (Thu) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

No title

>恒公のみならず、 一本気で不器用な鮑叔牙にとっても、管仲の存在は大きかった

そうですね、管仲も「君子」と評していたように裏表のない性格は好ましく思える時と、融通のきかなさにいらついてしまうときがあるかもしれません。
管仲の死後、鮑叔牙に取り入ろうとしたあの三人を追い返したところは、すっきりもしたのですが、その反面、あそこでうまく立ち回っていれば、もうちょっとなんとか出来たようにも思いました。

>虫食い状態の遺体を長いカットでまじまじと
これはきつかったですね。 ダメな人たちと違って、英雄といっていい人だけに、この最期は無残すぎる。

2008.07.18 (Fri) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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