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いつかどこかで見たような景色

 小ネタ0606。 - 黙然日記こちら経由で、
 「【正論】森本敏 「クラスター禁止条約」参加に反対」コラむ‐オピニオンニュース:イザ!
 こんなのを読む。

 私は、どうもこのクラスター爆弾の話を聞くと、こいつを思い出すんだよね。
ワシントン海軍軍縮条約
 実際に、相手が軍事力を使って侵攻してきたとき、それを物理的に押しとどめることが出来るのは軍事力しかない。というのは確かにその通りである。この軍縮会議が行われた当時、アメリカは仮想敵国であったし、戦艦に対抗できる兵器は同じクラスの戦艦のみと考えられていた。
 そうであるとすれば、対英米7割の戦艦がなければ阻止力としては不足する、という日本海軍の主張は、その意味では正しい。では、日本が敗北した理由とは、このときに条約に加盟して充分な阻止力を構築できなかったからであるかといえば、そんなわけはない。
 無理矢理保有枠に押し込んだ「陸奥」を初めとして、日本軍の所有していた戦艦のほとんどはろくに役に立ってはいない、なんてのは実は枝葉のことである。日本海軍は個々の艦艇の能力を上昇させたり、不足する分については巡洋艦や空母などの補助艦艇で補おうとしたりと、この条約の範囲内で阻止力を構築しようとした。その後の、ロンドン軍縮によって補助艦艇に対しても制限が加えられることにはなるのだが、彼等の努力はある程度成功に終わったと言ってもいいと思う。アメリカが艦隊決戦を企てて太平洋を侵攻してきたときに、これを迎え撃つ戦力としては評価してもいいだろう。なにしろ奇襲とはいえ、一時はアメリカ太平洋艦隊を壊滅に追い込んだわけだし。

 じゃあ、この阻止力、実際に国防に役に立ったかというと、これがまるっきり。はっきり言って艦隊決戦のことしか頭に無かった連合艦隊は、艦艇も組織も”敵艦隊を撃滅する”ことに特化されすぎていて、船団護衛のことは頭に無く、持久戦になったことで重要さを増した船団護衛には全然役に立たない。逆に護衛部隊の足をひっぱることすらしてる。

 軍人が物理的な阻止力を過大評価しがちだというのは、立場としてはわかるのだが、それが有効なのは想定していた局面に当て嵌まる場合のみ、ということを理解しておかないと逆に危ないだろう。で、私はクラスター爆弾が有効な局面――正規軍による上陸侵攻作戦、なんてのが、もっとも憂慮されるべきとは思えないんだけどね。それこそ太平洋戦争当時の”米艦隊が堂々と隊列を組んで殴り込んでくる”なんて状況が考えられない以上に、ありえないんじゃないかと。

 ……もうちょっと書きたいことはあるのだけど、それはまた別途。

 

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Comment

クラスター弾

クラスター弾については妙な論が多いですね。

>私はクラスター爆弾が有効な局面――正規軍による上陸侵攻作戦

その一つが対上陸作戦における重要性の強調です。
確かにクラスター弾は上陸作戦に対抗するためには有効でしょうが、上陸作戦が行われる際の日本の状況がどうなっているかということには触れないんですよね。
上陸作戦が行われるということは制海・制空権を失っているという状況で、現在の海空自衛隊を圧倒できる戦力を持つ国ならば日本本土を空爆できる能力を持っているでしょうから、上陸作戦のようなリスキーな行動に出る前にまず徹底的な空爆が行われることになるでしょう(第二次大戦時に米軍が行ったように)。
また制海権を失っている状況だと輸入に関して大きな支障が生じているでしょう。
こういう状況だと戦争続行そのものが難しいわけで上陸作戦云々の前に勝敗が決していると思います。
また制空権を失っている状況下ではクラスター弾を使用する兵器(航空機・車輌)自体の運用が厳しい(すぐ撃破される)のではないかと思います。

またクラスター弾が有効性が強調されるあまりこれが無ければ防衛は不可能と読めるような論もありますが、他の兵器はどこに行ってしまったのだろうと思うときがあります。

大して役に立たないとしても持っていて損は無いではないか・日本に対する抑止になるではないかという意見もありそうですが、自国が所持している限り他国に廃棄のプレシャーをかけることもできないわけで、禁止条約に参加して廃棄の流れを加速し世界的なものとすることで、他国を条約参加させたりそこまでいかなくとも使用に対して国際的非難が集まる状況をつくることで忌避感が生まれれば防衛にとって有効だと考えられると思います。
言うまでも無く他国のクラスター弾は攻撃にも使用されるわけですから。

「正論」の方は、国際人道法について勉強したことがあるのか・兵器について語るなら最低限は勉強しろ、としか言い様が無いです。

2008.06.09 (Mon) | MKM #- | URL | Edit

No title

>上陸作戦のようなリスキーな行動に出る前にまず徹底的な空爆が行われることになるでしょう

それもありますし、その前に何の為に侵攻してくるのか分からないところがありますよね。海上輸送の件もありますし、わざわざそんな正面から責めて来るような真似をしてどうするんだという気がしますし。

>自国が所持している限り他国に廃棄のプレシャーをかけることもできない
これもその通りだと思います。海岸線が長くて国土に奥行きがない国なんだから、軍拡の方向に持っていくのはトータルで見たら不利だと思うんですよね。

2008.06.10 (Tue) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

No title

>その前に何の為に侵攻してくるのか分からないところがありますよね。

侵攻される事態が考えられるのはどうあっても和平が成立せず、そして日本が降伏しない状況でしょうか。
ただそのような状況は上にも書いたようにほとんどありえないし、なったとしてもそれはもう何をしても無駄な状況だと思います。

なんにしてもクラスター弾に対する規制の流れは短期的にはともかく長期的には決して止まらないと思います。
ならばその流れを如何に自国にとって有利なように持っていくのかを考えるかが政治だと思うんですけどね。

ちなみに「不必要な苦痛を与える兵器」を規制するという考えを示したセント・ピータースブルグ宣言が成立したのは1868年の話だったりします。
「非人道的な兵器」なんて概念がおかしいというのはある意味正しいのですが、人間は放っておいたらなんでもするのでこういうおかしな概念を設定せざるを得なかったわけです。
ある種の兵器に規制を加えるのは19世紀からの話なわけで、クラスター弾に対する規制もその流れの上にあるわけなんですけどね。

2008.06.12 (Thu) | MKM #- | URL | Edit

No title

>ある種の兵器に規制を加えるのは19世紀からの話
例えば、ジュネーブ条約なんかも、戦争が避けられないんだとしても、それによって巻き起こされる悲惨な状況を少しでも改善しようという考えから始まっているわけですよね。
これも、最初は傷病者や捕虜に対する保護だったのが、徐々に適用範囲を広げていっている。
ただ、こういった動きは軍の行動を制限する方向に向かいますから、軍の立場からすればに歓迎できないというのはその通りではあります。ただ、これが一方的な価値観でしかないということを頭に入れずにいることが”リアリズム”と誤解して語ってしまう人が多い。軍事に詳しくなることで、価値観まで軍と同一になってしまうというのはちょっとまずいでしょう。

2008.06.12 (Thu) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

No title

>ただ、これが一方的な価値観でしかないということを頭に入れずにいることが”リアリズム”と誤解して語ってしまう人が多い。

以前Apemanさんのところにも似たようなことを書いたんですけど、”リアル”というなら犠牲者やその遺族がいて悲惨な思いをしているというのも”リアル”なんですからこの観点を落としてはいけないわけで(国内の刑事事件でそんなことをしたらどうなることやら)。
兵器を使用について考える場合軍事的必要性と人道的見地の二つから検討されなければならないわけで、今回のクラスター弾については全てのクラスター弾が禁止されたわけでも無し廃棄まで8年以上という年数があることを考えると軍事的必要性という観点に対しても一定程度配慮をしたものだと思うんですけどね。
軍事を語るのならば「国際人道法がなぜ成立し存在しうるのか」ということくらい踏まえておいて欲しいものです。

とはいえクラスター弾の規制に賛成する側にもクラスター弾というものがどんなものかさえ理解していないような人がいるのも事実ですけどね。

2008.06.13 (Fri) | MKM #- | URL | Edit

No title

>犠牲者やその遺族がいて悲惨な思いをしているというのも”リアル”なんですからこの観点を落としてはいけない
その通りですし、もう一つ言えば、ほとんどの場合が「司令官」の視点でしかなく、実際に命のやり取りをやっている一兵卒の立場には立たない人が多いですよね。



2008.06.14 (Sat) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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