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七剣下天山/劉精一

 やはり武侠の華と言えばオヤジである。

 武荘の頭領。分厚い胸板とぶっとい腕は、いかにも現場の叩き上げというごっつさであるが、愛嬌のあるマナコが雰囲気を和らげており、まさに”頼れるおやっさん”という感じのお人である。
 清軍に襲撃され、武荘から落ち延びていくときにも、あの圧倒的に不利な状況で、良く仲間をまとめていた。また、度量の広さも素晴らしい。彼ら江湖に生きる者にとっては、既に引退したとはいえ、王朝の処刑人であった傅青主は仇敵ともいえる存在であるはず。だが、傅青主が心底、清軍によって虐げられている人のために戦っていることを悟ってからは、彼を全面的に信じ、疑うということをしなかった。
 清側はことあるごとに、武荘と七剣士との間にくさびを打込もうと画策していたのだから、頭領のこの姿勢がなかったら、とっくに人心はバラバラになっていただろう。

 頭領という立場上、娘の郁芳に厳しく当たることもあったし、また他の武荘メンバーのために、彼女を犠牲にしようとしたこともあった。だが、やはり娘の幸せを願う一人の父親でもあり、頭領という立場との板挟みに悩むことも多かった。彼としては、志邦のように信頼できる男に早く娘のことを託したかったんではないだろうか。

 清軍の攻撃に、散り散りに落ち延びることになるのだが、割と早い時期に志邦・穆郎・郁芳らのグループと合流し、以降はずっと行動を共にする。そのため、穆郎の人柄と、さらに彼もまた郁芳のことを思っていることを知ったのだろう。志邦と穆郎のどちらかに郁芳をめとってもらうことを考えていた。まあ、娘のほうはずっと昭南のことしか頭になかったわけなんだが……

 それだけに、その娘の想い人に(間接的にではあるが)刺されてしまいそれを娘に見られての最期というのが、非常に痛々しかった。おまけに娘のほうはこれで”昭南は親の仇だ”と暴走を始めちゃうし。

 だけど、頭領の願いとしては、「仇を討ってくれ」じゃなくて「お前を守ってやりたい」だったんじゃないかな。
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Comment

No title

やはり頭領のことを考えると、どうしても郁芳の不甲斐なさが気になりますね(^^;
もちろんこの娘はこの娘で頑張ってはいたし、それなりに成長もしたんですが…

>彼を全面的に信じ、疑うということをしなかった
これは、すごいですよね。
逃避行生活で展開も重苦しかったんですが、
頭領が絶対揺らがずに傅前輩(七剣)を信じていたおかげで
だいぶストレスが軽減されたというのは大きかったです。
上に立つ人としては理想的な人物に近かったですね。

2008.05.02 (Fri) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

No title

>郁芳の不甲斐なさ
早いうちに志邦か穆郎のどちらかとくっついちゃっていれば、まだ良かったんですが……

>上に立つ人としては理想的な人物に近かったですね。
そうですね。あと、志邦が会頭になったときに、まるっきり逡巡せずに彼を立てているところとかも凄いと思いました。

2008.05.02 (Fri) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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