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碧血剣/阿九

 滅びゆく王朝のお姫さま。ドラマ版では原作に比べてはるかに深く掘り下げられることで、彼女の悲劇はより強調されることになる。

 崇禎の娘で姫と呼ばれる身でありながら、青竹翁と盗賊家業をやりながら江湖を渡り歩いていた彼女が、袁承志と出会ったのは偶然であったのか。出逢ってすぐに、お互いに惹かれ合う二人だったが、ほとんど間を置かずに自分の父親が承志の父の仇であることも知ってしまう。そして、江湖に身を置くことで肌で感じてしまうことになる明朝の腐敗は、聡明な彼女にとっては滅亡の予兆に思えたことだろう。
 そして、承志とつかの間、心を通わせた後に、王宮に帰ることを決意する。このとき、自分も身分も出自も全部捨てて、袁承志や青竹翁と共に生きるという道もあったはずなのだが……。そう出来なかった理由のひとつは、父を(そして明朝を)見捨てられなかったということ。それともう一つは青弟の存在があったからというのもあるだろう。結局はこのときの選択が最後まで彼女の運命を決めてしまった。

 承志と別れて都に戻る間も、わがままなお姫さまを演じて、錦衣衛の行動を妨害してみせたり。都に帰ってからも、猜疑心の塊のようになっている父親に、なんとか意見を聞いてもらおうとしたりと、けなげにがんばる。だけど歴史の大きな流れには逆らえず、王朝は崩壊し、彼女自身も大きな傷を負ってしまう。
 
 彼女が青竹翁の元に預けられたのは、「宮中で育てば早死にする」という予言があったからであった。この予言は当たっていたのだろう、江湖で育ち、青竹翁や袁承志との縁が結ばれることがなければ、北京落城のあの時、彼女は父親の手にかかって命を落としていただろうから。
 実は彼女にはモデルとなったであろう実在の人物(長平公主 朱徽媞)がいる。それにしても、北京落城のあのシーン、脚色はあるとはいえ、ほぼ史実どおりであるというのはなんともやりきれない。

 このドラマ、殺陣のシーンは単純にアクションの派手さのみを追っているわけではなく、そのキャラクターの性格も表現しようとしている。劇中でみせてくれた彼女のアクションは、青竹を使ったもの。その見た目の柔らかさとは裏腹な、しなやかな強さが彼女の本質であるなら、最終的に彼女が選んだ道でも救いを見いだしたものだと信じたいところだ。
 
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Comment

No title

袁大哥もそうですが、阿九もドラマのほうで原作既読者からの人気が上がりそうですね。

>北京落城のあのシーン
予習とか全くなしだったので、あの場面はショックでした(;_;
(ネタバレEDの映像でも腕のほうは気づかなかったですからね…)
でもこれ原作だと袁大哥が来てくれるとかKY発言をして
怒った崇禎にざっくりやられちゃったんですよね(^^;
この辺、見た目の上での過程と結果が同じでも、
底にあるものが違うとぜんぜん受ける印象が別になりますね。
総じて、原作の阿九は行動の指針が自分本位にあって(自分が考えていることは
相手もその通りに考えていると信じて疑わないような)、
ドラマ版は相手本位にあるように感じました。
9ちゃんのことを語りだすと
どうしても原作との比較論の割合が大きくなっちゃうのがアレなんですが(^^;

2008.03.16 (Sun) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

No title

>原作の阿九は行動の指針が自分本位にあって
>ドラマ版は相手本位にある
確かに、その印象はあります。原作の方は世間知らずのお姫さまという類型から外れていない感じです。袁承志が、平板なヒーローの枠を超えられなかったというのと似ていますね。やはりまだ初期の作品ということで、このあたりはこなれていない印象を受けました。

碧血剣についてはドラマ版をスタンダードにして、幼年編を原作で補完する、というのが、一番いいような気がします。

2008.03.16 (Sun) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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