大旗英雄伝 第四十話

 ようやくここまで来ました。

 風九幽の口からも五福と大旗門の怨恨の真相が語られ、さすがに全員信じざるを得ないことになった。だが、盛大娘はあくまでも息子の仇は雲錚であると言い張って聞かない。その言葉を聞いた雲錚は、それで恨みが晴れるのであればと、盛大娘に剣を渡して自分の命を差し出そうとする。剣を振り上げ、雲錚を殺そうとする盛大娘から、彼の命を救ったのは意外にも風九幽だった。風九幽は、怨恨を晴らすために命を投げ出そうとした雲錚の姿にうたれ、自分の内力を雲錚に与えることにしたのだった。驚く盛大娘に、息子の本当の仇は私だから、私の命であがなおうと、祭壇の角に頭をぶつけて死んでしまう。……いや、ギャグじゃないです(^^; なぜか最後の最後で良い奴になって死んで行くとは(^^; 死ぬ寸前にまるっきり人が変わってしまった風九幽だった。

 門の外には毒神とそん毒大師が陣取っていた。食料も水も持たずにこもっている以上、ここで待っていればいずれ出てくるだろうというのだ。

 そのころ祠の中では、これまでずっと意地を張っていた雲翼が、とうとう自分が間違っていたことを認め、弟子達に頭を下げる。さすがに風九幽の最期に何か感じるところがあったんだろう。妻を追放したことも素直に自分の過ちであったことを認めた。いままでのマイナスの積み重ねをすっかり忘れてしまえば、素直に良いシーンなんだけど。しかし、雲翼、鉄中棠や雲錚には頭を下げるだけど、黛黛には一言もなしか? あんだけ無茶苦茶言ってたんだから、ここは何か言って欲しいところなんだが……。
 そして、いろいろと因縁のあった黛黛と司徒笑との間も、なんか丸く収まった感じ。やっぱり司徒笑って黛黛に未練があったのね(^^; 雲錚に飲ませてやれと水を渡して、その後、海大小にからかわれる司徒笑が可笑しかった。

 風九幽の死をきっかけに、事態の割には雰囲気は和んできていたのだが、雲鏗の様子がおかしいことに青霜が気付く。これまで内力で押さえて隠していたが、実は息子を助けて毒神と戦ったときに、爪でひっかかれて毒を受けていたのだ。既に毒がかなり回ってしまっている雲鏗に、触れることもできず、離れて見守っているしか出来ない一行。そして、更なる悲劇が。押さえていた手を少し緩めた隙に、息子の雲過が雲鏗の胸に飛び込んでしまったのだ。たちまち猛毒にやられて命を落とす雲過。そして、息子の死を嘆く雲鏗も間もなく息を引き取るのだった。……なんでしょうか、最後に来てこの鬼展開は……と驚く間もなく、今度は目の前で息子と夫が命を落とすところを見てしまった青霜は、衝撃のあまりそのままふらふらと毒神の待つ祠の外へ。気づいた中棠や雲錚が止めようとしたが間に合わなかった。

 門の外に出た青霜は、毒神、つまり自分の父親に、夫も孫も父のせいで死んだことを訴える。まだ微かに父親としての意識があるのだろうか、わずかにうろたえたように見える毒神・冷一楓。だが、そん毒が制御用の針を打ち、毒神は青霜に襲いかかろうとする。青霜は、仇を討とうと短刀で切りかかるが一矢報いるものの、毒神の傷口から吹き出た毒にやられて死んでしまった。……一家全滅ですか、なんて容赦ない展開に。だが、絶命した娘を見て、毒神は暴走を始め、そん毒大師を殺してしまう。……えっ、てことはこいつがラスボス? 
 
 祠の中では膠着した事態にいらだった海大小が、こうなったら打って出ようと訴える。皆も賛同するが、なんか考え込んでいた鉄中棠は、一人が囮になって毒神を引きつけている間に、他の人間が達人達に助けを呼びに行くという策を提案する。うんうん、なにしろここにいる大半が、雑魚の五福と、その雑魚に勝てない大旗門だもんな(^^; (バカな設定を後付けするから、最後までこんなことに)
 そして、囮には自分がなると申し出る鉄中棠だったが、一人で行かせるわけには行かないと雲錚も同行を申し出る。彼には常春島に行って、日后に助力を頼む役をしてもらおうと思っていた中棠だったが、その役は黛黛にやってもらう、という雲錚の言葉に、しぶしぶながら申し出を受けるのであった。
 ……このとき、霊光も黛黛も、相方が決意を口にする前に薄々さっしているのだが、リアクションが対照的なんだよな。「え、そんな、私を置いて行っちゃうの?」と言いたげな霊光と「わかったわ、必ず生きて帰ってきてね」って感じの黛黛と。それでも口に出されて言われちゃうと心配になる黛黛であった。
 で、案の定、一緒につれて行って欲しいとむちゃを言う霊光。さすがに連れてはいけないと諭す鉄中棠。必ず戻るから、そうしたら霊光の生まれた谷で一緒に暮らそうと約束する。
 そして、翌朝、出発しようとした中棠に、まだぐずぐず言い出す霊光であった。いや、足手まといが一緒に行ったら中棠が危険なんですが。

タグ : 大旗英雄伝

コメント

No title

この雲鏗・冷青霜夫婦と雲過って、本当なら憎みあう大旗門と五福の間で
その怨恨にとらわれずに結ばれた二人とその思いの結晶ってことで
もっと大きく扱われてもいいはずだったんですよね。
(なんか「イデオン」みたいですけど^^;)
結局、五福のほうがグダグダになってしまった関係で
前回のコメントのように怨恨もずいぶん軽くなってしまって
結局ちっとも活かされずに処分されてしまったというのは
なんとももったいない限りです。

もったいないことが多すぎ

大旗って、素材は全然悪くないんですよね。話の転がしようではいくらでも面白くできそうなものが沢山あって。
それも、ごく普通に(敵同士が出会ったら、とりあえず戦ってみる、とか、説明しなきゃいけないときには説明する、とか、主人公をあんなアホの子にしない、とか)常識的に進めて行けば、ちゃんとした面白い話になりそうなのに。
なんでこんなことに(^^;

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