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射雕英雄伝/楊康

 生まれる前からの郭靖の義兄弟。だが、運命のいたずらにより郭靖とは正反対の生い立ちをたどった。本来ならばもう一人の主人公として、郭靖の影となるべき人物だったのだが……。
 楊鉄心と包惜弱の息子。楊家夫妻は、郭靖の父親である郭嘯天・李萍夫妻とは親友同士であり、二人の母親がほぼ同時期に妊娠していたこともあって、生まれる前から男同士だったら義兄弟と決められていた。
 だが、その後、官兵に襲われて二組の夫婦は離散し、楊康の母親包惜弱は金の趙王・完顔洪烈の妃となり、楊康はその王子として育てられることになる。

 まっすぐに育った郭靖とは違い、楊康には少しねじれた部分がある。それは王子としてわがまま放題に育てられたせいか、それとも母である包惜弱の屈折した思いが影響してしまったのか、どちらなんだろう。
 初登場のときこそ、郭靖を圧倒する実力を持ったライバルとしての存在感があったのだが、郭靖が師匠達の教えを吸収してどんどんレベルアップして行くのに対して、堂々巡りのすえにおいてきぼりを食らってしまい、悪役としてもライバルとしても中途半端な存在になってしまった感じは否めない。
 とはいえ、確かにそれまで金の王子として自身も疑わずにいたところに、突然見ず知らずの男が「私が本当の父親だ」などと現われれば混乱するのは当然だろうし、あげくに育ての親が本当の親の仇なんてことになってしまえば、悩むのも無理は無い。しかのその育ての親が父親として楊康に注いだ愛情は本物だったわけだし。

 思えば育ての父が親の仇であると知った時に、郭靖や穆念慈がもう少し楊康の気持ちを察することができていれば、また違った展開になったのかも知れない。でもお蓉しか頭に無かった郭靖じゃ無理だし、完顔洪烈を自分にとっての育ての父親である楊鉄心の仇と思い定めている念慈ねえさんにもそんなことできなかったろう。

 同情できる部分がないわけではないんだが、やってることが最初から結構悪辣なので感情移入もしにくい。かといって突き抜けた悪、というわけでもないのがなんとなくいまいち成功してないライバル、という感じでもったいない気がする。
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