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犯罪不安社会/浜井浩一・芹沢一也

 日本の治安状況について多くの人にとっての「常識」というのは次のようなものだろう。
「近年になって、犯罪件数は大きく上昇したのにくらべ、検挙率は下がる一方である。それだけではなく、凶悪化する少年犯罪や外国人犯罪など、今までは考えられなかった凶悪犯罪が増え、日本の治安は年々悪化している」

 だけど、本当にそうなのか、最近になってようやくこういった「常識」に疑問を投げ掛ける声が表に出るようになってきた。
 この「犯罪不安社会」は、私が良く記事を読ませていただいている安原さんのブログで知ったのだが、上で紹介した「常識」がいかに実態からかけ離れているかということだけではなく、なぜこのような「常識」が生まれ、多くの人たちに信じられるようになっていったのか、という点にも言及されている。

 本書の第一章では、さまざまな統計から、日本の治安状況の本当の姿が語られる。ここで浮かび上がってくるのは上であげたような「常識」とは全く異なる姿だ。
 一方で、「近年になって増えた凶悪犯罪」というのもまた、実態とは異なる。「凶悪犯罪」というのは以前からあった。しかし、それに対するメディアの語り口が変わってきたのだ、ということが書かれているのが第二章。ここを読むと、人間というのがいかに忘れっぽくていい加減な生き物であるかというのを思い知らされる(^^;

 人間が一番不安に感じるものとか恐れるものというのは何かというと、正体がわからないものなんだ。こういう場合、恐れから対象そのものから目をそらすことで恐怖から逃れようとすると、その行動がかえって恐怖を煽ってしまう。住民たちによる地域防犯活動がかえって不安を煽っている姿はそんなことを思わせた。

 残念ながら、犯罪の全く無い社会というのは今まであったためしがなく、これからもないであろう。人間社会に住む限り、犯罪にあうリスクというのは0にはできない。だけど実態から離れた幻に脅えていたら不安はいつまでも消えることはないんだ。
 不安を解消する手段はただ一つ、現象をはっきり把握した上で、効果的な対処を打つこと。まずはその第一歩として、この本に書かれていることが多くの人にとっての常識になってほしい。
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