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巌窟王 第二十一幕 貴公子の正体

 ダングラールは全財産5兆フランを持って地球から逃げ出していた。その金で再起をはかるつもりなのだ。だが、彼の乗る宇宙船の中にモンテ・クリスト伯爵が現れ、パリで交わした契約をもとに、5兆フラン融資するように迫る。ダングラールは隠し持っていた銃で伯爵を撃つが、巌窟王によって不死の身体になっていた伯爵には通じない。そして、伯爵の正体がかつて自分が陥れたエドモン・ダンテスであることに気づくのだった。
 エドモンと同じ船で会計士として働いていたダングラールは、エドモンが船長代理となったことをねたみ、フェルナンをそそのかして無実の罪に陥れたのだ。ダングラールの告白を聞いた伯爵は、大量の金塊と共に彼を宇宙船に置き去りにする。

 そのころ、パリではアルベールが伯爵を尋ねてきていた。伯爵の家令バティスタンは、そんなアルベールに、伯爵が地球を離れて今ごろダングラールへの復讐を果たしているころだと話す。アルベールは、なぜ伯爵の復讐を止めようとしないのか、とバティスタンに訴えるが、それでも過去を忘れられず復讐せずにはいられない伯爵の心情をアルベールにつたえるバティスタン。だが、なおも伯爵に会って伝えたいことがあると言うアルベールに、明日のヴィルフォールの公判に伯爵がやってくることをほのめかすのだった。

 そして公判の席上、無実を訴えるヴィルフォールの前に証人として現れたのはかつてカヴァルカンティ公と呼ばれていた青年だった。彼は、自分がヴィルフォールと、彼の愛人だったダングラール夫人との間に生まれ、そして体面が壊れることを恐れたヴィルフォールによって殺されそうになったことを証言する。生き延びた彼は孤児院で育ち、そこではベネデットと呼ばれていたが、本当の名は付けられていなかった。
 始めは否定していたヴィルフォールだったが、親子であった証拠を提示され、「会いたかったよ、父さん」と呼びかけられると、ついに事実を認め、ベネデットの抱擁を受ける。だが、ベネデットは隠し持っていた毒針でヴィルフォールを刺す。 
 刺されたヴィルフォールの前に現れたモンテ・クリスト伯爵は、自らの正体が、かつてヴィルフォールが保身のために陥れたエドモン・ダンテスであることを明かす。そして、彼が刺された針には精神を犯す毒が塗ってあったこと、そして、そのため、法によって彼の生命の安全だけは守られることを告げる。

 そして、法廷を出た伯爵の前にアルベールが姿をあらわす……。


 モンテ・クリスト伯爵ことエドモン・ダンテスの復讐は、ダングラールには金を、ヴィルフォールには法を。彼らがもっとも大切にしていたものを唯一の救いとして残し、他のものはすべて奪う、というものだった。皮肉と言えばこれほど皮肉な手はないだろうが、フェルナンやアルベールに対しての復讐に比べれば厳しさがずいぶん違うように感じる。それだけフェルナンに対する恨みは深いのだろうか。
 そしてかなりの成長が感じられるアルベール。恨みではなく、伯爵が破滅する前に救いたい、という気持ちから復讐を止めようとしている彼の気持ちは、果たして通じるのか。
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