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太皇太后・孝荘/康熙王朝

 まだ余韻が残っているうちに、キャラクターの感想も書いておきたいんだが、題材が題材なので、当然実在の人物が多い。ここでは、ドラマの中の登場人物としての感想を書いているということを一応お断りしておく(わざわざ書くまでもないかもしれないが(^^;)
 いつもキャラクターごとの感想はその作品中でもっとも印象に残った人から始めている。となれば、本作品においてはこの人を置いて他にいるはずもない。序盤から最終盤まで圧倒的な存在感でこちらを魅了し続けてくれた大清帝国の裏番、老祖宗こと太皇太后・孝荘である。
 明末から清初までを女性の身でありながら戦場を駆け抜け、幼い我が子の帝位を守るため、会えて仇の元に嫁いで、屈辱に耐えながら大清帝国の礎を築き上げてきたというこの人の前半生は、それだけで一本のドラマが作れそうである。が、しかし、このドラマではそれすらこの人のバックボーンとして断片的に語られるに過ぎないのである。
 そんな数多くの修羅場をくぐってきた経験を元にした確かな自信と、冷徹にも思えるほどの決断力、それに深い洞察力に圧倒的なカリスマまで備えた彼女は、明らかに他のキャラクターたちとは一線を画しており、言葉はちょっと変だがラスボス的存在として君臨し続けた。その実力は序盤の敵である鰲拜をして「数万の兵士に匹敵する」と言わしめたほど。この言葉がただの比喩などではなく、後に本当になんにもないところに軍を出現させてしまったのには驚くばかりである(笑)

 動乱の時代を生きた経験からか、徹底したリアリストであり、己の目で確かめたもの以外は、それが上奏書であったとしても疑ってかかる。また、常に優先順位は大清の存続にあり、そのためであれば非情の決断を下すこともいとわない。こう書いてしまうとまるで鋼鉄の人みたいに思えてしまうが、決して冷徹なだけの人ではなく、同じような境遇にある女性に対しては驚くほど優しい思いやりを見せたり、呉應熊が父親である呉三桂の叛乱に呼応して皇上暗殺を狙った時にも、その立場に理解を示すなど、懐の深さを見せてくれる。まあ、とは言っても色恋沙汰で政治を引っかき回すような女は大嫌いなようだし、呉應熊にしても許されるというわけでもないんだが。

 そんなわけで、序盤の幼年編から少年編のあたりまではほとんど主人公状態、さすがに親政が始まってからは出番は減ってくるものの、皇上が切羽詰まってどうしようもなくなってくると登場し、鮮やかにその場を収拾してしまう。圧巻はやはり呉三桂の乱で、読みがはずれて自暴自棄になった皇上を叱咤する場面だろう。自分が健在な限り大清に負けはないと言い切り、そして誰もがそれに納得してしまうと言う……いや本当に恐ろしいお方だ(^^;

 そして、鰲拜、呉三桂、鄭経、葛爾丹と清と皇上を脅かす敵たちがすべて退場し、帝国の基盤が盤石になったのを見届けてから、一人満足げに天に帰って行く姿はまさに大往生と呼ぶにふさわしいものであった。これだけのスケールと存在感を持った女性キャラクターというのは、他のジャンルを含めてもそうそういないんじゃないかと思う。
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Comment

老祖宗 千歳千歳千々歳

改めて思うと「表向きの口で言ってるきれいごとが全く信用できない」という
このドラマの定番を作り上げたのも、この人だったな~、と(笑)

このお方のすごいところって、これだけの力を持ちながら
自分は決して表舞台に立って直接的に権力を振るおうとはしないんですよね。
前に一度勧められたりしたけど、固辞してる。
それは、長期的な視野に立つと、そんなことをやっても清のためにはならないということを
わかってるからなんでしょうね。
この辺、具体的にそうだと説明されなくてもわかるという描写の一貫っぷりがすごいです。

2009.10.17 (Sat) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

NoTitle

>「表向きの口で言ってるきれいごとが全く信用できない」
そういえばそうでしたね(笑)

>表舞台に立って直接的に権力を振るおうとはしない
自分が後ろにいる、というだけで敵対勢力の牽制になるということも心得てますからね。考えてみると凄い自信だ。


>長期的な視野に立つと、そんなことをやっても清のためにはならないということを わかってる
この人の行動原理はずーっと一貫してましたからね。
(だから、例えば終盤で皇太子廃立に反対したのも、単に曾孫が可愛いからではないとわかるんですよね)

2009.10.17 (Sat) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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