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東周列国 戦国編 第八集(2)

 それぞれの思惑が交錯するのであった。

 秦が出兵するという知らせを受けた魏では、戦うか講和するかでもめていた。宰相の張禄が笵雎とは知らない魏斉は、元は魏の人間である張禄に取り入って、講和を実現させようと(よりにもよって)須賈を使いに出す。
 須賈は秦についたものの、なかなか宰相に会うことができずにいた。そこに笵雎が乞食の格好をして近づいていった。驚きおびえる須賈だったが、奇跡的に生命をとりとめて、秦に流れ着き、今はその日暮らしをしているという范雎の身の上話を聞いてさすがに哀れに思い、食事や服を恵んでやる。そして張禄への取り次ぎを買って出た范雎に案内されて宰相の元に向かい、そこで初めて張宰相とは范雎のことだと知ることになる。
 他国の使者たちも居並ぶ中、范雎の前に引き立てられ、ひたすら頭を下げて許しを請う須賈に、范雎はかつての仕返しとして馬の飼料を食べさせる。だが、そのとき趙の虞卿が、大勢の前で辱めを受けさせることは無いではないか、と范雎を批判する。
 そこに昭襄王が現れた、実は王は張禄が范雎であることはすでに知っていた。そして、かつて范雎が須賈と魏斉によってひどい目にあわされ、これは当然の報復であること、そして范雎の仇は秦の仇でもあり、仇をかくまうのであればその国も容赦はしないと宣言する。
 もはや逃れられぬと知って必死に命乞いをする須賈に、食事と服を恵んでくれたことに免じて生命だけは助けてやると答える范雎。だが、そのためには未だに魏に捕らえられている妻の雲娘を連れてくること、そして魏斉の首をもちかえること、という二つの条件があった。雲娘をつれてくることはともかく、魏斉の首までは無理であると言う須賈だったが、かなわなければ魏を攻撃して滅ぼすだけだ、と言われては断れるはずもなかった。

 鄭安平をつれて魏に戻った須賈は、雲娘を解放した後、魏斉の首について国王と相談する。秦と戦火を交えることは避けたいが、言われるがままに宰相の首を差し出すわけにもいかない。国王の弟、信陵君が一計を案じ、捕らえる前に逃げ出したことにして、魏斉をこっそり趙に逃がした。魏斉は幼なじみである趙の平原君のもとに身を寄せる。

 こうして、鄭安平は雲娘のみをつれて范雎の元に戻る。妻との再会に喜ぶ范雎だったが、魏斉が逃げ出したことを知って激怒する。そして軍を動かして趙を攻め、たちどころに三城を奪うと、城と引き替えに魏斉の首を要求する。だが、秦の言いなりになることをよしとしない趙は、斉に援軍を要請する。最初は乗り気でなかった斉王だったが、秦の野望を座視するわけにもいかず、結局援軍を送る。
 その動きを知った范雎は更なる攻勢を仕掛けようとするが、「個人の恨みのために国を動かして戦争を仕掛けることはよくない」と雲娘に諫められてしまう。

 昭襄王という強力な後ろ盾を得て、まるっきり力関係が逆転したわけで、前回ひどいことをされたお返しをきっちりしかけるところは痛快である。一応、ちょっとした仏心を見せた須賈には、ある程度手心を加えてやってるところで、陰惨になりすぎなくてよかったところ。
 雲娘の主張は正論ではあるのだが、一方で魏斉みたいな権力者は、圧倒的な力の後ろ盾が無ければおとがめなしになってしまう、というのも現実なんだよな。また、昭襄王には昭襄王の思惑があって范雎の好きにさせている部分もあるわけだし。范雎の敵は秦の敵という宣言が、単純に范雎の為だけではなく、政治的なパフォーマンスにもなっているところが、この王様の懐の深さだろう。
 
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Comment

No title

>ちょっとした仏心を見せた須賈には、ある程度手心を加えてやってる
この辺はやっぱ安心して観ていられるところですよね。
范雎って仇には絶対報いるという激しいところもあるんですけど、
全体的にすごく理性的な人だと感じられます。
強国・秦の主である昭襄王の絶対的な後ろ盾も心強いし、昭襄王自身もなかなかに魅力的な人物だしで、
この辺りはこれまでの章とはだいぶ違った色合いを楽しめました。

2008.08.31 (Sun) | Manbo #mQop/nM. | URL | Edit

No title

>全体的にすごく理性的な人
それは私も感じました。怒りはもちろんあるんだけど、それに流されてしまわないだけの強い自制心みたいなものがあるように思います。

2008.09.01 (Mon) | うちゃ #9fUrC8Yk | URL | Edit

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