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建国記念日の不思議

 もう終わっちゃった記念日ではあるけど、なんで2月11日が建国記念日になっているか、という話。
 由来についてはこっちの紀元節の説明を読めばわかる。神武天皇なんて伝説の人物じゃないか、なんてのはまあお約束だけど、とりあえずそれはいいや。そこに突っ込みを入れるつもりはない。

 むしろあれだな、「何太陽暦で計算してるんだよ」って言ってやりたい。その当時の最新の暦を使ったんだろうが、おかげで微妙なうさんくささが残ってしまった。日本に暦が入って来たのは大体5世紀から6世紀くらいと言われている。つまり、神武天皇紀元(紀元前660年)のころには日本には暦は無かったはずなんだ。なんか一所懸命計算しているだけど、主張すればするほど空しく感じてしまう。

 そんなところに記念日を設けなければならなかった理由、というのはなんとなくだけど見当はつく、はったりだね(笑) いや真面目な話、当時西欧列強にかこまれて近代国家としての第一歩を踏み出したばかりの国にとっては、”東洋の蛮族”なんてあついを受けるわけにはいかなかった。由緒正しい王家、という看板は対外的にも国内向けにも必要だったはずだ。律令国家として成立した頃を紀元とする手も無いではなかった。しかしそれだと武士達に実権を奪われていた時期の方が長くなってしまう。せっかく武家政治を打倒して天皇を元首に据えたのにそれは避けたい。そうなると、同じようにはったりかましていた日本書紀から紀元をひっぱってくるしかなかったってことだろう。あれも、ようやく国としてのまとまりができたので、権威を内外に宣伝するために作ったようなものだからね。

 こういう形で作られた”建国記念日”っていまいちカッコよくない。なんかねぇ、田舎貴族が箔を付けるために家系図を水増しして自慢してるみたいに感じるのだよ。まあ、いまさらベタで信じている人はそう多くはないんだろうけど、毎年2月11日になっている上に”建国記念日”なんて名前がついてると、ちゃんとした意味がありそうに感じるではないか。

 体育の日みたいに起源がはっきりしている記念日じゃなくて、こういう日の方がハッピーマンデーにふさわしいんじゃないだろうか。っていうのは今年土曜日と重なったおかげで休日を一日損した恨み言である(笑)
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